2019年度理事長所信

はじめに

 私達が住む天草は、天草五橋が開通し52年、物流はもちろん観光面においても目まぐるしく大きな発展を遂げてきました。
 近年は全国的な人口減少や首都圏への一極集中、少子高齢化など天草も同じような問題を抱えているどころか更に深刻な状況になりつつあります。このような社会問題に対し、私達青年世代にできることは何があるでしょうか。地域を盛り上げ、活力を取り戻すには何をすべきでしょうか。
 天草本渡青年会議所は1963年5月、全国で239番目の青年会議所として承認されました。それから56年もの間、歴史と伝統を守り私達に繋いでくださった先輩方に感謝し、愛する地元天草の為、愛する人が暮らしていく天草の為に運動・活動をしなければなりません。私達はこれからの天草を想い、共に活動する仲間のことを想い、行動し伝えていくことが重要だと感じます。

愛語

 現代に無くてはならない物となっているIT機器で、日本中、世界中の情報が手に入るようになりました。同様に世界中どこにいてもメッセージが送信でき、SNSも誰でも簡単に始められる時代です。これにより、人と人が直接会話をする機会が少しずつ減ってきているのではないでしょうか。励ましや労いの言葉、感謝の言葉など、大事なことは直接伝えることが大切だと思います。
 愛語とは相手をやさしく思いやる言葉です。相手をやさしく思いやる言葉は、相手をやさしく思いやる心から生まれます。
 そして、それは人の心を動かし、人を動かし、地域社会を変える大きな力になります。

まちづくりと愛語

 天草本渡青年会議所創立50周年時に定めた運動指針「人口革明」に基づき、中長期ビジョンとして看護福祉総合学校の設立、または既存の学校の学部の増設や定員増など、5年間に渡って活動を行ってきました。現在の高校生の進路先や進学状況、地域の需要などの調査を経て一度原点に帰ることとしましたが、私達の行動によって行政や関係諸団体を動かすきっかけになったと感じています。本年から60周年に向けては、「天草の海の更なるブランド化」に向けた活動を展開します。現在すでに天草のイメージは海や海産物だと感じている人が多くいます。ただイメージとして思い浮かぶのではなくブランド化していくために、海から島を連想できるようなブランドデザインが必要です。世界文化遺産に登録された今だからこそ、九州内外はもちろん国内外から天草に来られる方々に天草の海を印象付けられる事業を行います。

青少年育成と愛語

 未来の天草を担う現代の子供たちは、今の天草についてどのような思いを抱いているでしょうか。また、親世代は子供たちに天草のことをどのように伝えているのでしょうか。都会にあって天草にないものばかりが目立っているように感じます。私達が、天草にしかないもの、天草だからできること、天草の魅力をしっかりと想いを持って次の世代に伝えることで、天草が子供たちにとって大好きな生まれ故郷となるでしょう。
 感受性豊かな青少年期に様々な経験をすると、子供たちは劇的に成長します。心身共に成長できる機会を子供たちに提供するために、私達が天草を愛し、天草を楽しまなければなりません。子供たちにとって「こんな大人になりたい」と思われるような魅力的な青年であることも重要なのです。青少年健全育成事業は子供だけではなく、親も、そして私達も含めた「ひとづくり」だと言えます。

交流と愛語

 天草本渡青年会議所には様々な交流の場があります。会員、家族、地域、関係諸団体、各LOM、友好JCである名寄青年会議所。私達は入会と同時に多くの会員と知り合い、家族同士が繋がり、事業を通して地域や他団体の方々と交流することができます。多くの交流の機会を通して、天草本渡青年会議所の活動を発信するとともに、団体の中に閉じこもることなく未来の天草の為に手を取り合い、切磋琢磨することで団体間の横の繋がりが強固になります。
 さらに、外に開けたオープンな組織でいることで、親しみやすく会員拡大にもつながると感じます。家族のことを想い、仲間のことを想い、地域のことを想い共に活動する会員を増やします。

組織運営と愛語

 青年会議所は単年度制であり、毎年異なる役職で異なる事業を行います。だからこそ様々な経験ができ、個々のスキルアップにつながり、それを私達の職場や家族にフィードバックできると感じています。
 57代目となる本年、天草本渡青年会議所が地域から愛され、信頼される青年団体である為に、これまでの伝統を受け継ぐとともに、SDGsに取り組み、ブランド力の向上を目指します。
 また、組織運営をする中で会員間の繋がり、連携が強固でなければ様々な事業は成功しません。会員同士が想いを共有し、互いに尊重し合う組織体である必要があります。会員同士が思いやり、規律を持って事業や行事に取り組んだとき、地域に認められ、会員が誇りを持てる組織になっているはずです。

むすびに

 命に限りがあるのと同様に、青年会議所の会員としても40歳までの限られた期間です。この期間にできることを考えてみてください。やりたいことを考えてみてください。これまで多くの先輩方が築き、守ってこられたこの団体があるからこそ、私達はやりたいことを考え行動に移すことができます。私達の活動を理解し、応援してくれる家族や職場の仲間がいるはずです。支えて頂いている多くの皆さんに感謝し、多くのことに挑戦し、たくさん失敗し、たくさん泣き、たくさん笑いましょう。
 2019年、未来の天草に夢と希望を持ち、一緒に楽しみましょう。


2019年度 天草本渡青年会議所 年間方針

基本方針

  1. 未来の天草を想う同志の拡大
  2. 天草を愛し誇りを持つ青少年の育成
  3. 地域と協働するまちづくりの実施
  4. 様々な繋がりを広げる交流事業の実施
  5. SDGsの推進

運営方針

  1. 互いを想う活発な諸会議の運営
  2. 集いやすい雰囲気づくりと出席率の向上
  3. 規律を守り節度を持った組織運営